第3回J-HPHスプリングセミナー2018を開催しました。
日本HPHネットワークでは、2018年3月10日(土)順天堂大学お茶の水キャンパス第2教育棟(国際教養学部)にて、第3回J-HPHスプリングセミナーを開催しました。
会場には、医師、看護師、薬剤師、リハセラピスト、MSW、保健師、管理栄養士、研究者、介護支援専門員、介護福祉士、事務など多職種の約160名(主催者含む)が参加しました。
1部は、3つのワークショップにわかれ、各テーマでの活動例の紹介の後、グループワークと発表を行いました。
WS1|「日本版貧困治療ワークショップ」貧困治療のための3つのレベル(ミクロ・メゾ・マクロ)のアプローチなどの概説と活用例の紹介、演習(事例検討)
WS2|「地域診断のススメ」地域診断に必要な情報の検索・収集・活用の概説と演習
WS3|「HPHマネージメントを活用する」自己評価マニュアル 基準6(健康な地域づくり)を作成する。問題提起・基準案の紹介、活動例の報告、グループ討論
2部では、国際HPHネットワークCEO・WHO C-C所長のハンヌ・ターネセン医師が「世界のHPHネットワークとJ-HPHへの期待」について、また、同ネットワーク専門研究員のジェフ・キアク・スヴェーネ氏が現在、国際HPHネットワークで改訂作業中の「自己評価表と活用マニュアル」(ヘルスプロモーションの評価指標となるマニュアル)について講演を行いました。
ターネセン教授より、「国際HPHネットワークのミッションは、WHOのコンセプト、価値、戦略、基準、あるいは指標を病院や医療機関、ヘルスサービスの組織構造に組み込むために活動することです。ビジョンは、ヘルスプロモーションをとおして、病院や医療機関、ヘルスサービスのヘルスゲイン向上への寄与を増やすことです。
現在、国際HPHネットワークは、世界各国から約700の病院や医療機関、ヘルスサービスが加盟しており(2018年2月現在)、日本は80の加盟事業所と世界で3番目に大きなネットワークに成長しています。今年3年目を迎える日本HPHネットワークの会員の皆さんには、この間各種カンファレンスやセミナーを成功裏に開催され、今回の改訂版作業に際し、専門的検討やパイロット試験に参加していただきました。また、HPH認定プロジェクトのランダム化比較試験に、日本から2病院(埼玉協同病院・千鳥橋病院)が参加していただいています。日本のネットワークでは、多職種との連携や地域連携、またSDHの取り組みなどを知り、大変感銘を受けています。今後、皆さんのヘルスプロモーションを、エビデンスに基づいた健康増進のために積極的に行ってください」と述べられました。
また、今後の日本HPHネットワークへの期待として、国際HPHネットワークで新たに始まる臨床ヘルスプロモーションの新マスタークラスの参加(2週間×2回のコペンハーゲン、その他WEB受講)やタスクフォースへの参加など、国内、国際的にも積極的に活動してくださいと述べられました。
ジェフ・キアク・スヴェーネ氏からは、WHOコラボレーションセンターとして、今回の改訂作業にあたり、WHO、HPHのメンバー、外部機関など世界各国の専門家のご協力のもと進めてきた経緯や、改訂版「自己評価表と活用マニュアル」を、2018年6月開催の第26回国際HPHカンファレンス(伊・ボローニャ)にて発行・配布する予定とご紹介されました。そして、最後に皆さんの患者さんやスタッフ、地域のよりよい健康をめざして、今後も末永く連携していけるよう期待していますと述べられました。
改訂版「自己評価表と活用マニュアル」は、国際HPHカンファレンスで発行後、日本HPHネットワークにて翻訳、発行作業を行う予定です。
スプリングセミナーの概要と各ワークショップの報告は次号のニュースレター(J-HPH NewsletterNo.8)で詳しくご報告いたします。
ご参加いただきました皆様、またスプリングセミナーの開催にあたり、ご尽力いただきました方々に心より御礼申し上げます。
日本HPHネットワーク運営委員・事務局一同