東京保健生活協同組合 大泉生協病院
大泉生協病院は、院内HPH委員会を中心に、病院職員と組合員の塩分調査を行い、すこしの塩分で、すこやかな生活を地域に広げるために効果的な「すこしお」対策を検討しました。 調査方法は、土橋らが作成した「塩分チェックシート」を使用し、漬物・外食・コンビニ弁当など塩分を多く含む食品の頻度や、食習慣に関する13項目の傾向と、合計点数を、職員と組合 員で比較分析しました。また、職員には、ソルトペーパーによる尿塩分の自己測定も行いました。
調査に協力して頂いた職員は170名、組合員は143名で、平均年齢は、職員43.3歳、組合員75.5歳です。 ソルトペーパーの自己測定は、職員の大半が初体験です。結果は3割が塩分過剰と判定、予想と実際の乖離に驚きの声が上がりました。職員の9割が「外食・中食(惣菜・コンビニ弁当)」を利用していること、その頻度は都民の栄養実態調査を大きく上回っていることもわかりました。
一方、組合員は大半が「外食・中食」は利用せず、「家庭の味は外食より薄い」と回答しています。合計点数では、組合員の3人に1人が「塩分少なめ」と判定、「すこしお」が地域組合員に浸透していると実感しました。しかし、「塩蔵品」の頻度は有意に高く、特に「漬物・梅干し」は4割の方が毎日食べると回答しています。また、その頻度は、60代職員も同様でした。 今回の調査で「すこしお」に対する意識や食習慣は世代で異なることがわかりました。働く世代の職員には、塩分表示を意識する働きかけが必要です。今後も塩分測定による見える化を継続していきたいと考えています。
また、シニア世代の組合員には、漬物にかわるアイデア料理の交流や、食事会で尿塩分をチェックするなど、仲間と楽しく味わう企画が、健康長寿を延伸さる効果的な「すこしお」対策と考えられます。 調査結果は、院内医活研、組合員職員交流集会、保健講座等で、多くの組合員・職員に報告する機会を頂きました。
昨年開催した「すこしお料理講習会」では、組合員さんが考える「漬物の代わりの一品」が大好評でした。
NEWSLETTER No.8 APR 2018