株式会社福岡保健企画
「実はすごい福岡保健企画の活動」
2019年5月に紹介しました当法人の「ちどり薬局 待合室活動」は、残念ながら新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ自粛中です。再開できることを楽しみに願っており、ちどり薬局以外でも、健康保持増進の活動をし、健康サポート薬局の表示をしていきたいと感じているところです。
さて、薬局業界では現在、認定制度が創設されました。感染状況や薬剤師・薬局の役割が変化していくなど、取り巻く状況が変化する中で患者様が自身に適した薬局を選択できるように、特定の機能を有する薬局として認定する制度で、2021年8月から開始されました。
当法人では、その内のひとつ『地域連携薬局』として5つの薬局が認定されました。福岡県内で77薬局(2022年3月現在)、全国で836薬局が認定されています(2021年9月現在)。
地域連携薬局は入退院時の医療機関等との情報連携や、在宅医療等に地域の薬局と連携しながら一元的・継続的に対応できる薬局です。認定を受けるには、①~⑤の基準を満たす必要があります。
①患者様が安心して相談しやすいこと
②医療提供施設(医療機関、薬局等)との連携をしていること
③地域でいつでも相談・調剤できる体制への参加をしていること
④一定の資質を持つ薬剤師が連携や患者様に継続して関わっていること
⑤在宅医療に対応していること
これまでの『健康サポート薬局』との違いは、健康サポート薬局は健康の保持増進の活動をより積極的に実施する薬局であることです。HPHの取り組みとしては、こちらの薬局の方がしっくりきます。地域連携薬局も他薬局との連携なども基準に盛り込まれ、「まちづくり」の点から言えば、HPHの目的に沿うと考えます。どちらも患者様や地域へ寄り添うことが求められており、薬局・薬剤師はこれまでの業務にこれらの活動を融合させ、役割を果たしていく必要があります。
私たちの薬局では常に先を見据え、一歩も二歩も先を行き、「対物」から「対人」へと調剤薬局の存在意義が舵を切られ、「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」が薬局業界で標ぼうされる以前より、患者様の「利益の最大化」するために活発な医療活動を実践していました。この原点・原動力を私たちは「福岡保健企画イズム」と表現していますが、HPHの精神・考え方と通じるものであり、HPH の実践だと考えています。
今回の診療報酬改定で地域支援体制加算が4つに細分化されました。これまで全国的にこの加算を算定できない薬局も多い中で、大型門前薬局のちどり薬局・ひよこ薬局を除く、すべての薬局が最も高い加算を取得できました。さらに、この類の加算が認められていなかったちどり薬局も加算を取得することができました。今までの医療活動が公的にも評価された証です。この評価の基準となる2つの事例を紹介します。基準に①在宅の薬学管理件数の年間24回以上とありますが、当社では月平均2,026回です。また別の基準に②かかりつけ薬剤師指導料の年間40回以上もありますが、これも月平均826回です。桁違いの実績を上げていることが分かります。
また、薬を服用するうえで患者様が最も気にする副作用についても、当社の伝統を引き継ぎ活発に活動しています副作用モニター委員会は、2020年度副作用モニター集約概況(病院含む)では全日本民医連で第1位の報告数47件でした。常に上位をキープし(2019年度で61件の2位)、患者様の安心安全の医療をすすめる観点から、初期の投与管理の工夫や相互作用のモニター強化など、副作用回避の取り組みを強化する上で重要な活動です。
上記以外にも、待合室活動・地域での健康講座・健康測定会・地域での休日輪番・薬の譲受などで取り組んでいきました。
これらの医療活動を基に「国のお墨付き」である「地域連携薬局」として認定され、感染状況や構造の課題はありますが、今後も確信をもってこれらの活動に取り組み進んでいきたいと思います。
報告:松尾 暢孝(株式会社福岡保健企画 部長)
NEWSLETTER No.20 MAY 2022