公益社団法人 北海道勤労者医療協会 勤医協札幌病院
「お元気ですか」りんりん作戦の取り組み
勤医協札幌病院と共同組織である札幌白石健康友の会では、2021年度近隣の民医連法人事業所とともに、友の会員を対象に「お元気ですか。コロナ禍で困っていることはありませんか。」と2,516件に電話をかけ、1,171人と対話を行いました。
この活動は2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大し、かつて経験したことのない不安と恐怖を感じる中、安否確認を含め会員から話を伺うことで、少しでも安心に繋がればと思い始めたことでした。
対話内容はあらかじめ作成した「つながりカード」の中からいくつかの項目に沿って聞き取ることと並行して、自由に話してもらうことを大事にしました。
最初は「会員と言っても顔の知らない人に電話をするのはハードルが高い。」、「困っていることがあると言われたらどうしよう。話を聞いても応えられなかったらどうしよう。」という不安の声が多く、なかなかすすみませんでした。
しかし、若手職員が先輩職員に励まされ、電話をかけた趣旨を丁寧に伝えたところ、相手が突然の電話に戸惑う中、ひとり暮らしでコロナや自分の体調、家のことなど不安な思いをたくさん話してくれました。
最後には「わざわざ私のところに電話をくれてありがとう。」と感謝され、職員は「こういう誰もが先のわからない不安を感じている今だからこそ、こちらから電話をかけていくことはとても大事だと思った。」という感想を話してくれました。
このような経験が全体の励みとなり、これまでつながることのできなった会員にも幅広くつながることができました。また、電話を受けた会員からは「職員からの電話ということで安心し、いろいろ話を聞いてくれて、勤医協や健康友の会が本当に信頼されているということが実感できた。」という感想が寄せられました。
あらためて、病院に来られる患者さんだけでなく、地域の中に「困っていることはありませんか。」とこちらからアクションを起こしていくアウトリーチ活動と言えるものとなり、地域住民の中で自分たちの存在意義を感じた貴重な取り組みとなりました。
2022年度はあらたに「相談者カード」をつくりました。地域からの様々な相談ごとを職員と健康友の会で共有しながら、学び成長にもつなげていけたらと思います。
報告:平田 浩之氏(勤医協札幌病院 事務長)
NEWSLETTER No.21 AUG 2023