大阪きづかわ医療福祉生活協同組合 たいしょう生協診療所
たいしょう生協診療所では、職員の行動指針となる「基本理念」にHPHの視点を入れ、職員の意見をくみ入れながら毎年改定を続けています。2020年度は「地域医療保健活動を通じて、学び、対話し、信頼関係を築き、ひとの意見を受け入れ、柔軟に考え、互いに育ちあい、幸せになる。」と定め、理念に沿った医療活動を実践しています。
大阪市大正区は沖縄出身の住民が多い地域です。地域の皆さんに親しみやすい診療所づくりを心がけ、毎月「1のつく日」は医師を含めスタッフ全員がかりゆしシャツを着る「かりゆしデー」を設けています。また、「地域に出ていく医療活動」と「診療所に来てもらう医療活動」をそれぞれを設けています。前者では毎月1回、医師または看護師が地域に出向き簡単な講演や健康チェックを行い、後者では看護師によるフットケア教室、子供たちに医師体験をしてもらうキッズクリニック、夏祭り、健康祭り、クリスマスコンサートなど、季節に応じたイベントを行っています。また、毎月「かりゆしだより」というA4一枚の簡単な新聞を発行しており、健康に関する啓発をコツコツと続けています。
通院患者さんについては、年1回、全ての患者について喫煙の有無と飲酒量のチェックを行いカルテに記録し、喫煙については禁煙のための情報提供を行っています。飲酒についての本格的な介入はまだ開始しておらず、今後の課題です。
上記のような多彩なHPH活動を実践するためには、日々の業務の効率化を図る必要があるため、当診療所では業務の質改善のための多職種合同会議「QC会議」を設けています。現在、看護部と事務部それぞれ一つずつの業務改善プロジェクトが進行中であり、2ヶ月に1回、進捗をチェックし、学習の機会を設けています。2019年度はそれぞれ「文書の渡し忘れゼロ」「健診問診票の記入率向上」に取り組みました。また、「季節の5Sチェック」と題し、職員会議の時間を使い、季節の変わり目ごとに職場の5Sチェックを行っています。
NEWSLETTER No.15 SEP 2020