医療生活協同組合健文会 宇部協立病院
「HPH活動報告 喫煙アンケートについて」
宇部協立病院が日本HPHネットワークに加盟し約5年が経ちます。加盟した当初は、様々な視点から健康増進に取り組んできました。今回はその一部を紹介するとともに、現在の課題も一緒に報告させていただきます。
当院は、2017年に敷地内禁煙を施行するにあたり、病院職員約200名対象に喫煙アンケートを実施しました。その結果「喫煙率」が18%、「禁煙する予定がある」が3%でした。特に看護師、技術職、事務職の順番で喫煙率が高いという傾向が明らかになりました。敷地内禁煙が開始され2年半が経過した2019年12月に職員の健康意識の変化について再調査することをHPH委員会で決定しました。
2020年1月に病院職員約200名を対象にアンケート調査を実施。結果は「喫煙率」15%「以前は吸っていたがやめた」3%、「今後やめるつもりがある」10%という結果になりました。敷地内禁煙を契機に禁煙をするようになった職員も数名いましたが、喫煙をする職員が入職したため、残念ながら喫煙率は減少しませんでした。
喫煙率としては、看護部より技術部の方が高くなり、40歳以上の喫煙者が目立ちました。この間の禁煙推進の取り組みとしては、職員向けセミナーの開催や、禁煙外来受診を推奨してきましたが、継続的な取り組みにすることができなかったことが反省点です。今後は喫煙率の高い40歳以上をターゲットに禁煙指導などを行っていきたいと考えています。
その他のHPH活動としては、腰痛教育を整形医師が講師で年間5回コースを開催、延べ50名の職員が受講しました。腰痛の基礎知識から改善体操など幅広い内容で好評でした。
その結果、職場内の腰痛発生率を若干低下させることができました。
その結果、職場内の腰痛発生率を若干低下させることができました。
現在のHPH委員会は活動機会が減り、課題も山積みです。その中でも大きな課題が3つあります。
①地域住民の健康状態を把握するための聞き取りマニュアルの作成、②電子カルテを活用した他職種との連携システムの構築、③SDHの職員教育などが挙げられます。マニュアルは完成しているものの、職員への周知と活用ができていません。SDHの職員教育はSDHパンフレット*を活用し少しずつ浸透してきています。
コロナ禍で失業を余儀なくされ、健康不安を抱えた人も増えています。このような状況下だからこそ、再度HPH委員会を再活性させ、健康増進拠点病院としてより一層地域住民の健康を守ると共に、職員の健康増進を図っていきたいと思います。
*SDHパンフレット:「健康格差の原因―SDHを知ろう」 保健医療研究所 発行
NEWSLETTER No.15 SEP 2020