公益財団法人宮城厚生協会 坂総合病院
「地域での健康体操教室について」
坂総合病院は、2024年9月にHPHネットワークへ加盟したばかりです。これまで当院では、地域のヘルスプロモーション活動を積極的に行なってきましたが、事業所内で組織的に協同して活動を推進させることや、内容を可視化するという点では十分なことが行なえていなかったため、2022年度より院内に「ヘルスプロモーション推進会議」を設置しました。
この会議が設置された経緯には、これまで以上に地域へのアウトリーチを活性化することを目的に、2021年度に部署として「地域健康課」を立ち上げたことが影響しています。当部署のミッションは、地域づくり・健康づくり活動を一層推進していくことです。
地域健康課の特徴的な活動内容の一つに、自主的な住民組織である共同組織(健康友の会)の「地域班会」へ健康運動指導士が参加していることが挙げられます。各地域の集会所・公民館・友の会会員宅を班会場として、介護予防・生活習慣病対策を目指した「健康体操教室」を展開しています。
約60分~90分の体操教室は、主に低強度のストレッチ運動・筋力トレーニングでメニューが構成されており、全身の筋肉を満遍なく使えるような内容になっています。
また、ただ漫然と運動するのではなく、この運動が必要な理由等を解説し、参加者の運動継続に対するモチベーションの向上や、ヘルスリテラシーの向上に貢献できるよう工夫しています。
健康体操教室の実施は、友の会の班会ばかりではなく、医療圏内の老人会と町内会や、地域の企業等とも連携を図りながら、その対象範囲を拡大させてきました。この他にも、青空の下での「健康体操&ウォーキング」というイベントを春・秋に定期開催しており、地域の方々のニーズがとても高い催しになっています。
更には、コロナ禍に突入して以降開始した「オンライン体操教室」も、今現在まで継続開催中です。上述してきた全ての活動に言えることですが、参加者の方々には地域の仲間と共に楽しく、かつ安全に効果的な運動を行なっていただくことが我々のモットーになっています。
当院の地域健康課は、災害公営住宅や地元の離島での健康相談会等も主催しており、大変ありがたいことに、そこでの体操教室も非常に好評を博しておりますが、今後は様々な院内の専門職と協同で、これらの企画を立てていく予定です。
地域ではコロナ禍以降、外出する機会が少なくなり、そのまま家に閉じこもりがちな方や、運動不足に陥っている方が、未だ多数いらっしゃいます。
そのような方々の「人と人とのつながり」を再構築し、心身の健康増進に貢献できるよう引き続き健康づくり活動を推進し、地域の様々な団体や個人との連携も深めていきたいと考えております。
そして、患者や職員に関するヘルスプロモーション活動も、これまでの活動をより一層推進していき、なおかつ新たな内容にも取り組んでいければと思います。
報告:咲間 優氏(坂総合病院 地域健康課)
NEWSLETTER No.28 JAN 2025