医療生協さいたま生活協同組合 埼玉協同病院
「お元気ですか訪問で買い物支援バスにつなげた取り組み」
訪問した公営団地は自治会加入率99%ですが高齢化し認知症の徘徊者も数名居るとのことでした。訪問件数は368軒で229軒の方と対話し7割以上が高齢者でした。困り事では医療・介護の事30%、交通手段22%買い物21%が多く、相談内容は無年金の方の生活保護申請、妻が重症の認知症だが相談所まで行けないなどの相談があり、参加した病院や介護相談員につなぎました。また地域の特徴として買い物困難者が多いことがわかりました。近くの小売店が閉店し、車に乗れない高齢者は1.5㎞離れたスーパーまで1時間かけて歩いている人、荷物が重いのでタクシーで帰る人などがありました。足が悪く出歩けない人の中には月に数回の巡回販売車を待ち望んでいる人も多くいることがわかりました。
このため、当法人の老人保健施設の送迎バスを使用しない時間に車と運転手を派遣し、この団地周辺からスーパーまで買い物支援バスの運行を開始し大変喜ばれています。また通院困難者も多く、当院まで1.4kmあり川口市のコミュニティバスを利用する人が多いのですが、数年前に路線が一方通行に変更され、行きは10分程度でも帰りは1時間以上かかってしまうとのことでした。このため新コースでの当病院送迎バスの運行や、自治体への「往復運行を求める署名」に取り組み、市と懇談会を行い、市のコミュニティバス審議会で要望が取り入れられ、翌年「双方向のバス運行」が実現しました。
報告:小暮 里美(埼玉協同病院 事務次長)
NEWSLETTER No.20 MAY 2022