公益社団法人 京都保健会 京都民医連中央病院
「赤ちゃんにやさしい」を重視して~BFH(赤ちゃんにやさしい病院)に認定されました~」
Baby Friendly Hospital(以下BFH)とはUNICEFとWHOが作成した「母乳育児成功のための10カ条」に沿って母乳育児を支援する病院のことです。日本では当院を含めて61施設が認定されています(2023年8月現在)。
当院は前身である右京病院時代から母乳育児を推進してきました。
2017年に新築移転のための院内プロジェクトで、さらなる母乳育児支援をすすめてBFHの認定を受けることを目標としました。
コロナ禍で受審の手続きが大きく遅れましたが、医師・助産師・看護師だけでなく、栄養課や薬剤課とも学習や準備を進め、2023年5月に訪問審査を受け、8月に認定されました。母乳育児には多くの優れた点が挙げられています。
栄養を摂るためだけでなく、お母さんが赤ちゃんに免疫を届けることができ、多くの病気から赤ちゃんを守ります。また、「脳は抱っこで育つ」「子どもの脳は肌にある」と言われ、お母さんと赤ちゃんの絆を育むことで、脳の発達を促し、安心感を与えて心の栄養になるとされています。
その中でも私たちは、母乳は赤ちゃんの成長発達において最良であり「赤ちゃんにやさしい」ことを特に重視しています。
母乳育児をすすめるためには様々な援助が必要です。産前の乳房・乳頭ケアからはじまり、出生直後からの母児接触、初日からの頻回授乳、赤ちゃんの抱き方、乳頭のくわえさせ方など多くのことを実践しなければなりません。それらの理解を、お母さんの心身の疲労に配慮しながらすすめてゆくことも大きな役割です。
また、母乳育児支援は短期間で終わりますが、一生続く親子関係の基礎をつくることができるものです。コロナで中断していた「1歳のお誕生日会」も久しぶりに開催しました。子ども達が元気に成長している姿が、スタッフにはとても嬉しかったです。お母さんの笑顔もたくさん見られました。
京都市でのBFH認定は初めてとなります。BFHの重要な役割として社会への母乳育児推進活動があり、今後は、地域の方むけの「母乳育児講座」を開催するとともに、保健センターとの連携の強化やBFH認定記念講演会を地域に向けて開催する予定です。地域の方はもとより、行政やいろいろな施設の方々と連携、協働しヘルスプロモーションとしてすすめていきたいと考えています。
報告: 中川 洋寿氏(京都民医連中央病院 副院長 整形外科)
NEWSLETTER No.24 DEC 2023