一般社団法人あおもり健康企画 大野あけぼの薬局
大野あけぼの薬局は「地域の中で患者さんに寄り添い、いつでも誰でも安心してかかれる医療と福祉の実現」を目指して医療活動に取り組んできました。
今年創業30周年を迎えた当薬局は2017年に「健康サポート薬局」、2020年に「地域連携薬局」の届け出をしており医療活動とともに様々な地域活動を行っています。今回は当薬局の取り組みから3つご紹介します。
① 地域健康教室
これまでに17回「地域健康教室」を開催しました。テーマは「心不全」や「糖尿病」、「認知症」など関心の高い話題から、「熱中症対策」や「乾燥対策」など季節の話題にするなど利用者からの要望も取り入れながら決めています。
当日は薬剤師の講話だけでなく健康体操を組み合わせてみんなで楽しく汗を流したり、最近ではワークショップとして虫よけスプレー(ハッカ油スプレー)を作ったり、吹き戻しで呼吸法を練習するなど飽きずに楽しんでもらえるように工夫しています。
② 認知症カフェ
薬局の外に出て地域の皆様との触れ合いの場も増えました。「認知症カフェ」もその1つです。毎月1回職員が参加し薬や健康に関する相談を受けたり、薬剤師から健康情報の発信をしています。認知症は治療だけでなく、予防・早期発見・見守りも大切です。
薬局内では、待合室でのご様子やお会計時に気になった患者さんに声をかけ、必要に応じて地域包括支援センターに繋げたり、薬の管理が不安な患者には在宅訪問をするなど、地域で安心して服薬を続けてもらえるような支援をしています。
③ 検体測定
2018年4月に薬局内に「検体測定室」を設置し、HbA1c(糖尿病の検査項目)が測定できるようになりました。簡易検査ではありますが、測定を通して食事や運動など生活習慣を見直すきっかけ作りや病気の早期発見・早期治療に繋ぐ受診勧奨を目的に行っています。
これまでに58名から希望があり測定を実施し、初回測定のHbA1cの中央値は男性が6.1%、女性が5.6%でした。特に男性受検者では測定された方の半数がHbA1c:6.0%以上という結果であり、地域には治療が必要であるにも関わらず受診に繋がっていない方がいることがわかります。今後も測定結果をもとに医療機関とも連携し、測定後の経過をフォローしていきたいです。
当薬局は2024年9月に国際HPHネットワークに加盟しました。
今後も「かかりつけ薬局」機能をベースに薬剤師の対人業務を強化させながら、「健康サポート薬局」としての取り組みを充実させていきたいと思います。目指すは「処方箋がなくても利用できる薬局」です。
報告:野藤なつみ氏(大野あけぼの薬局 薬剤師)
NEWSLETTER No.28 JAN 2025