利根保健生活協同組合 利根中央病院
利根中央病院は群馬県の北部に位置し、東京都23区の約4倍もの広さの医療圏の中核を担う総合病院です。2013年1月にHPH推進委員会を立ち上げ、翌年3月には国際HPHネットワークに加盟しました。当院のHPH委員会は地域・患者・職員の3つのチームで構成されており、それぞれのテーマで活動に取り組んでいます。
<地域チーム>
地域チームは総合診療科の鈴木医師を中心に、研修医や職員が地域の小・中・高校へ出向いて講演を行う「保健講話」という活動を行っており、多岐にわたる内容で若年層への健康に対する啓発活動に取り組んでいます。
また感染管理専従看護師による手洗い教室を開催し、小学生を中心に手洗い方法の指導を行っています。秋から教室を開き、インフルエンザなどの感染症の抑止を目指しています。他にも中学生の尿中ピロリ抗体検査を行い、生活状況や検査結果をデータ化し、がん予防の観点から自治体に働きかけて一部地域の中学生についてはピロリ検査を無償化するという実績を挙げています。(2017年国際HPHカンファレンスで報告)
<患者チーム>
患者チームでは喫煙問題に取り組んでいます。喫煙についての保健講話を行う事で将来の喫煙率を減少できないかと考えました。中学校の養護教諭に相談したところ、学校では薬物教育を各機関に依頼して毎年行っており、「地元病院の医師より喫煙による体への影響を話して頂くと生徒の勉強になる。」と快諾されました。今後さらなる講話の依頼が増加すると思われ来年度以降も積極的に地域に出ていきたいと考えています。
<職員チーム>
職員チームは病院職員の健康維持の目的のために運動できる環境づくり・腰痛対策・食事への介入の3つで活動をしています。運動できる環境については週に2回、日勤後のリハビリテーション室を職員に開放し、運動をしてもらっています。今年はそれに加え、当院の医師の指導のもとエクササイズ講座も開催しました。腰痛対策は年に数回、全体集会などで腰痛体操や腰に負担のかかりにくい介助の仕方などのレクチャーを行っています。
食事への介入については、職員食堂の机に栄養に関する情報提供を行い、食事への意識を改善してもらおうと2018年から継続して行っています。今年のJ-HPHではその成果を発表しました。今後も地域に根ざした病院として、病気だけを診るのではなく、地域の皆さん・患者さん・職員への保健予防活動を通して疾病予防や健康増進に取り組んでいきたいと考えています。
NEWSLETTER No.13 JAN 2020