社会医療法人同仁会 耳原総合病院
「やさしい日本語」ワークショップを開催
みなさんは「やさしい日本語」をご存知でしょうか?「やさしい日本語」とは相手に配慮したわかりやすい日本語のことで、日本語を母語にしない方、高齢者の方、障がいのある方など様々な方に用いられます。例えば、「血圧を測りますのでこちらの椅子におかけください。」をなおすと「血圧を測ります。この椅子に座ってください。」となります。
当院ではコロナ禍でも出来る取り組みとして、HPH委員会主催のもと「やさしい日本語」ワークショップをオンライン併用で院内開催したので報告させていただきます。
院内での開催は二度目となります。一度目はHPH委員会の委員を対象に行い、今回は特に外国人の患者さんを対応することが多い産婦人科・小児科の職員を対象としました。参加者は医師・看護師・助産師の12名、講師は前回に引き続き日本語教師の先生方、模擬患者役は大阪健康福祉短期大学の留学生に協力いただきました。
日本語教師の先生方とは「医療×やさしい日本語研究会」主催のワークショップで出会い、当院が院内開催を目指していることを話すと快く協力してくださりました。
参加者は「医療×やさしい日本語研究会」が提供している動画とパンフレットで各自事前学習をしました。当日は、最初に日本語教師の先生から「やさしい日本語」のコツについて講義をしていただきました。
その後に、模擬患者への説明を「やさしい日本語」に変換するロールプレイを行い、模擬患者から良かった点や分かりにくかった内容についてフィードバックを受けます。
事前に産婦人科・小児科の職員にアンケートを行い、普段から伝わりにくいという意見の多かった“後陣痛"と“直母とミルク"をシナリオに取り入れました。当院で出産後に入院している患者さんへ説明するという設定です。
どのような伝え方をすればいいか分からず言葉が詰まってしまう職員や、身振り手振りを使って分かりやすく伝えることが出来る職員もいました。
ワークショップ終了後のアンケートでは「外来スタッフにも参加してもらいたい。」「相手の理解度を確認しながら、出来る限りやさしい日本語を意識して伝えることが大切。」「練習すればかなり使えると思った。」など今後の診療に活かしたいという感想が多く寄せられました。今後も継続的に取り組んでいき、外国人の方が気軽に医療にかかることの出来る病院にしていきたいと思います。
報告:角野 佳奈子(耳原総合病院 医局事務課 係長 専攻医・研修医担当)
耳原総合病院 産婦人科小児科スタッフ向けワークショップの様子
- 「やさしい日本語」について詳しく知りたい方は、インターネットで「医療×やさしい日本語」を検索してください。
医療×やさしい日本語研究会 - 「2020年版HPH基準」
基準3.3.2. 私たちの組織は、コミュニケーションと患者中心の姿勢を向上させるための技術についてスタッフの研修を行います。これは、平易な言葉づかいやティーチバック技術などの方法を用いた、書面と口頭の両方のコミュニケーションに適用されます。に該当。
NEWSLETTER No.21 AUG 2023