社会医療法人健友会上戸町病院
ソーシャルバイタルサイン(SVS)研修会:「そうだ!SVSしよっ!!その“気になる”を止めるな」
2018年に長崎民医連内にHPH委員会が発足しました。発足時から取り組んだことの1つが「SVSを把握するツール」を作ることでした。「気になる」と感じるポイントについて出し合い、そのポイントをリスト化し、SVSをとる患者を抽出するためのフローチャートを2019年に完成させました。まずはフローチャートをもとにSVSを聞き取ることから始めました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、研修会の開催が可能かどうかも含め検討を重ね、オンラインとオンサイトを組み合わせたハイブリット式の研修会にすることにしました。企画デザインから小松先生に参加していただき、2020年12月12日に開催することができました。ハイブリット型の研修会は初めて試みだったため、当初よりも参加対象を絞っての開催とし、県連内の6事業所から医師9人を含む42人が参加しました。
上戸町病院 SDH/SVS研修会の様子
SDH/SVSの概念とアクションシートの記載の方法のレクチャーを受け、当院での事例をもとにアクションシートを実際につくるワークを行いました。研修で学んだことを日常の業務に活かすため、2週間以内/2か月以内に実行することをそれぞれ「わがことアクションシート」にまとめ研修会を終えました。
その後、各職場で学びの共有や、カンファレンスを行い、実際にアプローチにつながった事例も報告されています。当院では外来看護師を中心に「気になる患者」カンファレンスを行い、問題解決が難しい事例は「気になる患者帳票」を立上げ、外来に関わる部門へメールで情報の共有を呼びかけました。各部門がもっている情報を集約する手順をとっていますが、なかなか情報が集まらないことが課題だったため、手順の変更を行いました。また、2021年度は多職種カンファレンスを開催することが目標です。
今回、SDH/SVSの概念を改めて全体で学習し、その重要性を理解したからこそ、その後のアクションにつながっているのではないかと感じました。今後は学んだことを定着、継続させていくことが課題となります。2021年度はどのような学習会ができるかまだ決まっていませんが、コロナ禍においても、職員の学びを止めない取り組みを続けていきたいです。
NEWSLETTER No.17 MAY 2021