岐阜勤労者医療協会 みどり病院
鳥取民医連の取り組みに感銘を受け、当法人の共同組織である岐阜健康友の会と共同で、2021年10月にみどり病院周辺の全戸計10,000世帯へのアンケート配布をおこないました。コロナ禍であることも含め、生活面・経済面などでの困りごとについてのアンケートです。職員と地域の方合わせて186名が1件1件アンケート用紙をポストインしていきました。
539名の方から回答をいただきました。回答者の年齢は20代~90代以上で最多が70代、70代以上が60.8%を占めました。ちなみに、みどり病院周辺の高齢化率は35%~43%と岐阜市内でも屈指の高齢化地域です。
アンケート結果の全体的な特徴として以下の5点が挙げられました。
『収入が減って生活が苦しい23%』 出勤日数が減った、失業、仕事を辞めた、年金が少ない。
『買い物に行くのが困難15%』 交通手段がない、体力がない、免許返納後の移動手段への不安。
『病院に行くことが困難18%』感染が心配、体力がない。
『コロナ禍の生活によって体調が変化した53%』 足腰が弱った、体重が増えた、睡眠不足、ストレスが増えた。
『相談できる人がいない19%』
アンケートの相談希望欄に連絡先の記載があった方へは直接電話をさせていただき、現在のお困りごとや病院への要望などをうかがう機会も持つことができ、保険料や住民税の分納、公営住宅家賃の減額に結びついた事例もありました。
また今回のアンケート調査報告書を地元の「地域包括支援センター」「自治会連合会」「社会福祉協議会支部」に送付し、2022年3月から4月にかけて、それぞれの団体との懇談をおこなっています。
独居や認知症のある高齢の方々が住み慣れた地域で生活を続ける際の困難、地域には生活に困窮していても助けてと言えない方がたくさんおられること、買い物や受診に際しての交通の課題、外出時の体力の課題、学生や働く方々が市街中心部へ行く時のバス賃金の高さ、人口減少や繋がりの弱まりによってまちの活気がなくなってきていること、コロナ禍での健康の課題などなど、それぞれの団体が着目している課題をお互いに共有できた良い機会となっています。より暮らしやすいまちづくりを目指して、フレイル予防活動、認知症ケアの学習、バス賃金是正の運動、居場所づくり、など地域のみなさんと一緒に取り組んでいきたいです。
報告:大橋 正和(みどり病院 事務長)
NEWSLETTER No.20 MAY 2022