公益社団法人山梨勤労者医療協会 甲府共立病院
甲府共立病院は「貧富の差によって生命の尊さが差別されてはならない」を基本理念に地域医療をすすめてきました。差額ベッド代をとらず、無料低額診療事業を行っています。
また、甲府健康まつりの開催、地域での健康相談会など地域の健康づくりを進めてきました。HPHに加盟後は、こうした今までの活動をさらに飛躍させようとHPH推進委員会を立ち上げ、毎月1回会議を行い職場、地域でのHPH活動を推進しています。
【職員の健康づくり】
職員の健康づくりとして、院内フィットネスを開始しました。心臓リハビリ室に設置してある自転車エルゴメーター、卓球台、ウォーキングマシーンなどを診療時間外に職員向けに使えるようにしました。開設当初は、いろいろな職員が参加して活気がありましたが、だんだんと利用者が固定されていき、少ない人数の利用となってしまいました。
そこでHPH推進委員会で討議を重ね、昼休みにストレッチ教室を開講して利用を促進させる取り組みを始めました。月1~2回、時間は20分程度。毎回20人近く参加し好評です。「硬いわねー」「○○さんすごいわねー」と職員間のコミュニケーションをはかる場となっています。
【HPHの普及】
HPHについて職員間で取り組みを共有することを目的に「HPH活動経験交流会」としてランチョン報告会を始めました。第1回目は2つの演題を報告してもらいました。一つ目はHPH推進委員会委員長の西山敦士医師(内科)から2018年10月の第3回HPHカンファレンスで発表した演題で「研修医教育にSDHを取り入れた取り組み」、もう1つは、勤務環境改善委員会が行ったアンケート調査結果を報告しました。
また第2回目は検査技師でフードバンクの取り組みを行っている職員から「子どもの貧困」をテーマに報告してもらいました。いずれも30人近い職員が参加してくれました。引き続き、HPHについて理解が深まる取り組みを進めていきたいと思います。
【地域の健康づくり】
甲府健康友の会とともに地域の健康づくりを進めています。甲府健康友の会には46の班会があり、毎月約20班が活動しています。テーマに基づいて専門職を派遣し、医療講話を行っています。「専門職が地域に話をしにきてくれてありがたい」「班会のたびに近所に声をかけてコミュニティづくりの一つになっている」と好評です。
まだまだ課題も多いですが、職員も地域も健康になるように取り組みを進めていきたいと思います。
NEWSLETTER No.11 MAY 2019