岡山医療生活協同組合 岡山協立病院
「SDHをテーマとした3年目職員研修」
岡山医療生活協同組合では2019年度からSDHを3年目職員研修のテーマに位置づけています。2020年は8月18日と25日の2回に分けて、21名の職員が日本HPHネットワーク作成、全日本民医連SW委員会作成協力の「医療・介護スタッフのための経済的支援ツール」を使って実習しました。3年目研修は「医療福祉生協のいのちの章典」の学習も併せて行っており、前半は看護師と介護事業所職員が「いのちの章典」の実践をプレゼンしました。
続いてMSWとリハセラピストが日々の業務とSDHの関連を述べ、現在自分たちに大きな影響を与えているコロナ禍をSDHの視点で見ると、困難を抱える多くの人が孤立し医療・介護・福祉にたどりつけずにいること、日常的にアウトリーチをする重要性があることを訴えました。
後半のワークショップでは「医療・介護スタッフのための経済的支援ツールの症例事例集」から3事例、自院でMSWが経験した1事例を用いて模擬カンファレンスを行いました。
カンファレンス時間は約30分間と短時間でしたが、図1,2のように問題点と解決策を多職種で話し合い、発表しました。
参加職員の90.4%が本研修を「よく理解できた」または「理解できた」と評価しました。
図1
図2
また、「いろいろな方向の視点や考えがわかり、多くの意見の大切さを知った」、「グループワークで一つの事例に対し、どのようなアプローチができるか皆で話し合い、様々な意見が出たことは、自分が気づかなかったことに気付くことができ、学びになった」、「カンファレンスの大切さを学んだので、積極的に意見を出していきたい」といった感想がだされました。「支援の制度を職員が知っていることで、自己決定や自己情報コントロールに役立てると思う。勉強して、患者さんに答えられるようになりたい」と、「医療福祉生協のいのちの章典」の内容と結びつけてSDHをとらえた参加者もおり、医療介護業務の中心を担っている3年目職員の育成に効果的であったと考えます。
今回業務の都合で集合研修に参加できなかった看護職員22名は「健康の格差の原因-SDHを知ろう」の冊子とMSW作成の資料を自主学習した上で、病棟で開催するSDHカンファレンスに事例をプレゼンする予定です。
SDH研修をきっかけに、3年目職員が若手ならではの視点と行動力でHPH活動に力を発揮することを期待しています。
SDH研修をきっかけに、3年目職員が若手ならではの視点と行動力でHPH活動に力を発揮することを期待しています。
NEWSLETTER No.16 JAN 2021