一般社団法人 群馬保健企画 あおば薬局渋川店
「あおば薬局渋川店における心理的安全性を高める取り組み」
あおば薬局渋川店は群馬県の真ん中、渋川市にある保険薬局です。薬剤師10名、事務4名の比較的規模の大きい店舗です。
当店では職場の業務の質を高め、安全・安心の医療を提供することを目的に2024年に1年間を通して心理的安全性を高める取り組みを実施してきました。2020年版HPH基準に当てはめると「4.1.6. 私たちの組織は、心理社会的な職場環境に配慮しながら、ヘルスプロモーションにとりくむ職場を確立します。」に該当した活動となります。
心理的安全性に関する深い知識を持った職員はいなかったため、管理者が書籍「心理的安全性のつくりかた」(著者:石井遼介氏)で紹介されている4つの視点「話しやすさ」、「助け合い」、「挑戦」、「新奇歓迎」を学習・理解し、実践できる取り組みを考案し実施しました。この4つの取り組み前後における職場内の心理的安全性についてエドモンドソン教授の論文で提唱されている7つの質問を用いて評価しました。
4つの取り組みはそれぞれ3か月間、合計12か月に渡り実施しました。一つ目、話しやすさは「目を見て話しましょう」という運動を呼びかけ、取り組み前後で職員への話しかけやすさのアンケートを実施しました。
もともと話しかけることの心理的障害が低く、取り組み前後でアンケート結果に大きな変化は見られませんでした。2つ目は助け合いをテーマにサンキューカードの取り組みを行いました。
職員一人当たり20枚のサンキューカードを配布して2週間のうちに何枚配布できるかその枚数を調査しました。配布枚数は全体としての変化はありませんでしたが個人レベルで見ると伸びている職員がいたり、助けたつもりはないのにカードを受け取ったことで他人の役に立っていることに気が付いたという意見がありました。
3つ目の挑戦の取り組みでは「私の挑戦状」というタイトルで挑戦する内容を個人で決めてもらい、その評価を自己採点で点数化し中間評価と最終評価で点数の改善を評価しました。4つ目、新奇歓迎では「私の隠された窓*紹介」を実施。ジョハリの窓(*自分は知っているが他人は知らない自己の領域)に倣って自分の強みや得意分野のスピーチをしてもらいました。
総合評価はエドモンドソン教授が提唱した7つの指標を上記4つの取り組み開始前と終了時に実施しました。個別の項目では改善されたものがありましたが、全体として点数に大きな変化は見られませんでした。
1年間という短期間では長年培われた組織文化を大きく変える事は難しいことが示されたと分析しています。しかし「組織を変革しようとする意識が職場の中で芽生え始めてきている」と感じられることが増えてきています。
まだまだ軽微な変化なので数値化ができていないのが残念であり課題であります。ではこの変化の芽を育てていくために何をすべきか?それはこれら4つの取り組みを継続し意識しなくても実践できるレベルにまで高める事です。
そして学習や討議を促進して職場全体の業務の質を高め、患者様により安全・安心な医療を提供することがゴールです。
2020年版HPH基準:
基準4 健康的な職場、健康的な環境づくり
副基準 1: スタッフの健康ニーズ、参加およびヘルスプロモーション4.1.6. 私たちの組織は、心理社会的な職場環境に配慮しながら、ヘルスプロモーションに取り組む職場を確立します。
報告:高橋 智彦氏(一般社団法人群馬保健企画あおば薬局渋川店 店長・薬剤師)
1750-0090一般社団法人群馬保健企画 あおば薬局渋川店
NEWSLETTER No.32 MAY 2026





